天使の歌声


でもそんな心配をよそに
彼女はさっきの物音が
猫の仕業だと勘違いをして
大きな家の方へ歩いていった。

「猫…ナイス!!」

猫は不思議そうな顔をすると
何処か行ってしまった。

「………はぁ~。」

俺は深呼吸をして空を見上げた。

真っ暗な夜空には
沢山の星が輝いていて
さっきとはまた別の世界が
広がったように見えた。


プルルルル♪

胸ポケットに入れてあった
携帯電話から着信音が聴こえた。

画面に表示された名前を確認すると
電話をしてきたのは要だった。

ピッ

「もしもし?」

「もしもし?じゃねーよ。今何処にいる?」

「んー…丘の上?」

「何でそんな所に…。
お前荷物どうするんだよ。」

「えっ?荷物…?」

要に言われて初めて
自分が荷物を公園に置いてきた事を知った。