天使の歌声


気のせいか…?

でも確かに見えたんだ。

彼女の背中に



天使の羽が…。



気がつくと空には星が輝いていた。

彼女は歌う事に満足したんだろうか
慣れたようにスルスルと木から降り始めた。


(あっ…こっちにくる。)

そう思った俺は見つからないように
茂みに隠れようとした。


ガサッ…

「ヤバッ!!」

足元の落ち葉を踏んだ為、
大きな音が出てしまった。

「誰っ!?」

俺は慌てて茂みに隠れた。

彼女は警戒して辺りを見渡している。

「ヤバイな…。」

彼女が何処か行くまで俺も動けない。

そんな時だった。

「ニャー。」

俺の隣に何故か猫がいた。

(っていうか今このタイミングで鳴くなよ!!
余計気づかれるっ!!)