天使の歌声


「♪~♪~♪~」


俺は言葉を失った。

彼女の歌声は…

今までに聴いたことのないくらい

全身を包み込むように優しく、
心に染み込んできて…


そして懐かしかった…。


「懐かしい…?」

何故懐かしいんだ?

でも、何処かで聴いた事ある歌だった。

「誰の歌なんだ…?」

ビュウーッ!!

「うわっ……!!」


突然強い風が吹いた。

反射的に瞑った目を開けた。

花びらが舞い、
さっきよりも目の前の景色が
色鮮やかになっていた。

「………嘘だろ…?」

俺はもう一度目を擦り彼女を見た。