天使の歌声


ふと、1本の大きな木が目に入った。

風が吹き、葉がざわざわと音を鳴らしている。


「あっ……。」


見つけた。


木の枝に白いワンピースを着た
少女が立って歌っていた。

「あの子は……。」

白い肌に長い黒髪。

ぱっちりとした大きな目。


間違いない…。

公園で出会った彼女だ。


「あの子が母さんの言ってた天使…?」


彼女はこっちには気づかず
歌い続けていた。