天使の歌声


丘まではそう遠くない。

坂道を登ると大きな家が見えてきた。

「デカ…。」

今までに見たことのない程
大きな豪邸だった。

門には『藤崎』と書いてあった。

「藤崎…そういえばあの子も
藤崎っていう苗字だったな。」

名前…何ていうんだろう。


家を通り過ぎ、
少し離れた場所に来ると
花畑が見えてきた。

「すげー…。」

一面に花が咲いていて、
ここだけ違う世界みたいだった。


「♪~♪~…」

「この声は…!!」

さっきよりも大きく聴こえる。

でも辺りを見渡しても誰もいない。