見とれていると彼女のある変化に気がついた。
なんと、彼女が泣いているのだ。
俺は慌てて彼女の元に行き
制服のポケットからハンカチを
取りだし渡した。
彼女は自分が泣いている事に
気づいていないようだった。
「ありがとうございます…。」
彼女はハンカチを受け取り涙を拭いた。
「何で泣いてたの?」
理由を聞いていいかわからなかったが
目の前で泣かれたら気になって仕方がない。
「…曲。」
「曲?」
「あなたの曲に感動したから…。」
「えっ!?俺の曲で!?」
ギターを弾いて泣かれたのは
これが初めてだった。

