天使の歌声


夕日はだんだん沈み
オレンジ色の街から薄暗い青に染まり
街の人々はそれぞれの家路につく。

温かい空気から少し冷たい空気に変わり
まるで世界が変わったかのように感じた。

ふと、夢の中で見た
あの人の歌が頭の中を流れた。


あの女の人…

顔は思い出せないが
歌声だけは記憶の中に確かにあった。


天音は身体の底から息を吸い

そして



歌い始めた。


夢で見たあの人の歌を……