翔太が電話をかけようとした時だった。

「翔太―!!」

校舎の渡り廊下から男子生徒が走ってきた。

「今井。どうしたんだよ?
もうすぐ準備しないとライブが…。」

「そのライブが出来ないかもしれないんだ!!」

「はっ!?」


はっ!?

今…何て……?


「どういう事だよ?
ライブが出来ないって…?」

「実は…ギターの奴がクラスの模擬店の
手伝いをしている時に火傷をして…。」

「火傷っ!?」

「急いで保健室に行ったけど
ギターは弾けない状態みたいで…
それで…本当に急だけど翔太、
ギター弾いてくれないか?」

「俺が!?」

「頼む!!この短時間で出来るの
お前しかいないんだ。
それに翔太が作った曲だし…。」

「出来るとは思うけど…
でも急がないと時間が…。」