天使の歌声


「2人共ここで何をしているの?」

「ちょっと更衣室に忘れ物があって…。
それよりどうしたの?」

「あっ!三国君、軽音部の人達が
三国君の事探していたよ?」

「マジで?何かあったのかな?」

「翔太、とりあえず行ってこい。
後でメールするから。」

「わかった。行ってくる。」

会話が一通り終わって廊下から
バタバタと足音が遠ざかる音がした。

「しのぶ。」

教室のドアの向こう側から
要さんの声が聞こえた。

「俺が見張っているから
早く天音ちゃんのメイクをして。」

「わかった。ほら、さっさと着替えて。
また他の奴等が来たら面倒だ。」

「はっはい!!」

私は自分の制服を脱いで
しのぶさんの制服を着た。

「わぁ…。」

他校の制服を着るなんて
もちろん初めてだから何か新鮮だった。

「うん、サイズもいいな。
じゃあこの椅子に座って。」

私はしのぶさんが用意した椅子に座った。

「あんたは髪が長いからなー。
ちょっと巻いてみるか…
メイクも派手になりすぎないように…。」

しのぶさんはブツブツ何か言いながら
ヘアアイロンやメイク道具を
取り出して作業を始めた。