結構な大声で叫んだのに
彼はギターに集中しているせいか
全くこっちを見なかった。

「気づいて…ない…?」

もう少し近づいても…大丈夫かな?

足音がしないようにゆっくり彼に近づいた。

近づくにつれてギターの音も
はっきり聴こえる。


「………………。」


彼の奏でるギターの音に
天音は言葉を失った。

温かく、心がふわふわとして
全身が優しく包まれていく…。


今まで、音楽を聴いて
こんな感情になった事がなかった。