その日も私は家から
こっそり抜け出して花畑へ向かった。
お姉さんはいつもの通りに歌を歌っていた。
「お姉さーん!お待たせっ!」
「天音ちゃん…。」
お姉さんの顔にはいつもの笑顔が無かった。
「どうしたの?元気ないよ?」
「天音ちゃん…。
今日はとても大事な話があるの…。」
「大事な話…?」
お姉さんは私の背に合わせて腰を下ろした。
「私ね…もう天音ちゃんと
歌えなくなったの。」
「えっ!?何で!?」
「ちょっと…遠い所に行く事になったの。」
「遠い所って何処?もう会えないの?」
「うん…。ごめんね。」
「嫌だよ!!どうして!?約束したのに…
私とお姉さんとお姉さんの子どもと
3人一緒に歌うって…」
お姉さんが私を強く抱き締めた。
最初抱き締めてくれた時とは違う…
大事な物を奪われないように…
とても強い力だった。

