「お姉さんの歌…とても綺麗な声だった。」
「ふふっ、ありがとう。」
お姉さんは街に向かってまた歌いだした。
「♪~♪~♪~…」
お姉さんの歌を聴いていると
心が何だか温かくなって
涙が出そうになった。
「どうしたの?」
「えっ?」
「泣いているわ。」
そう言うとお姉さんは
ハンカチを取り出し私の目元を拭いた。
「なっ泣いてないもん!!」
「どうして?」
「だって…泣いたら駄目だってお父さんが…
だからお母さんが死んだ日も
泣かなかったもん。」
そう話したらお姉さんは
急に悲しそうな顔をした。
「どうして泣いたら駄目なの?」
「だから、お父さんが…。」
するとお姉さんがいきなり抱き締めてきた。

