耳を澄ませて歌声を聴きながら
ふらふら歩いていると
1本の大きな木の下に着いた。
「大きな木ー。」
見上げていると木の枝に
誰かいるのに気づいた。
「だれ?」
小さな声で呟いた。
「あら、小さなお客さんね。」
木の枝には自分の母親と
変わらないくらいの歳の女の人が立っていた。
「よっと…。」
女の人は木から飛び降りて
私の目の前に立った。
「こんにちは。」
「こ…こんにちは。」
「あなたはどうしてここへ来たの?」
「えっと…歌が聴こえたから…。」
女の人はにっこり微笑んだ。
「私の歌声が聴こえたのね。」
「お姉さんが歌っていたの?」
「そうよ。でもここまで来たのは
あなたが初めてね。」
あの歌はお姉さんだったのか…。

