天使の歌声


あれは…私がまだ5歳の頃。


私は…お母さんを事故で亡くした。

悲しくて…寂しくて…

でも泣くことを許されなかった。

「お前は藤崎家の人間だから人前で泣くな。」

そう父親に言われ、
お母さんが亡くなってからも
ずっと泣かなかった。


ある日、部屋で本を読んでいると
窓の外から微かに歌声が聴こえた。

窓を開けて外を確かめても
歌っている人なんて誰もいない。

「………?」

気のせいかなと思った私は
窓を閉めようとした。

「♪~♪~…」

「あっ!!」

やっぱり聴こえる!!

でも…何処から…?


普段は家から勝手に出ることを
禁止されていたが
何故だかその歌声が気になって
仕方なかったからこっそり家を出た。