「1日にアイス2本も
食べられるなんてラッキーだな。」
「普段は食べないの?」
「要に止められるんだよねー。
食べ過ぎだって。」
「要さんってお母さんみたいだね。」
「だろ?昔からあんな感じだよ。」
ちょっと子どもっぽい翔太と
お母さんみたいな要さん…。
いいコンビだな…。
「翔太と要さんはいつ出会ったの?」
翔太はアイスを食べるのを一瞬止めて
思い出す素振りを見せながら話始めた。
「要とは病院で初めて会ったな。」
「病院…?」
「母さんが死んだ日。
まだ母さんが死んだという事を
受け入れられなかった俺は
病院の中庭でボーッと座っていたら
あいつがいつの間にか隣に居たんだ。」
そういえば…翔太のお母さんは事故で…。
「要は何も言わずただ隣にずっと居て…
そしたらあいつがいきなり
手を握ってきたんだ。」
翔太は自分の手を見つめながら話を続けた。
「何で隣に居て手を握ってきたのか
分からなかったけど…
握られた時、なんだか安心して…
泣いてしまった。
それからかな…要と一緒に
いるようになったのは…。」
「そうなんだ…。」
きっと要さんが居てくれたお陰で
翔太は明るく過ごしてきたんだろうな。

