天使の歌声


「……っもう!」

「チョコも美味しいだろ?」

「まぁ…。」

「ねぇ、天音のアイス
俺にも少しちょうだい。」

「はぁ!?」

ちょうだいって…食べ掛けだよ、これ!!

「いいじゃん。
俺のアイスも少しあげたし、ほらっ。」

「ちょっ…。」

翔太は私の手ごとアイスを
口元に引っ張り一口かじった。

「ん、美味しい。」

2つのアイスにはお互いが
かじった跡が2つ…。

翔太は暑いって言いながら
自分のアイスを食べ続けている。

意識しているのは私だけか…。

少しホッとしたけど…
でも少しは意識して欲しい…

そんな複雑な気持ちでアイスを食べ始めた。


暫くアイスを食べ続けていると
棒に何か文字が書いてあった。

(何だろう…これ?)

残りのアイスを一気に食べて棒に注目した。

「あ…た…り…?」

棒には『当たり』と書いてあった。

「翔太…これ…。」

翔太にアイスを棒を見せると
翔太は目を大きく見開いた。