「故障って…そんなのあり?」

少々呆れながら
再度窓を見ると彼はもういなかった。

「いなくなっちゃった…。」

ちょっとガッカリして腕時計に目をやった。

現在12時半。

修理が終わるまでまだ時間がかかるだろう。
このまま車の中で待つのはすごく退屈だ。

そう思った天音は車から出た。

「ちょっとだけなら…
近場なら問題ないよね。」

昼間の街を歩いた事がない天音は
好奇心旺盛で街を見渡した。