暗闇の鎌【読みきり短編集】

「……会社に行かなくっちゃ」


2度目の睡魔に襲われそうな温もりを断ち切り、ベットからでて肌寒い部屋へ足をおろした。


「もう翔太君とは終わっちゃうのかなぁ」


あらためてなくなりそうなマスカラを掴み、そう言葉に出してしまった。

口にすると真実になりそうだから、いつもなら心に思うだけなのに――。


ぎゅっと握り締め、また元に戻す。


左右には心の隙間を埋めるようにブランドのアクセサリーが無造作に放置されていた。