暗闇の鎌【読みきり短編集】

 ――くすくすくす。お姉さん、マスカラの調子はどう。彼と上手くいってる?


――貴方はこの前の女の子ね? それが……分からなくなっちゃったの。


――なんで? 彼が好む眼を手に入れ、体の隅々まで満ち足りる愛までつかんだのに?


――そうなのかな……ちょっと違う気がするの。


――お姉さんって贅沢なんだね。そんなよくばりさんには次はないよ? 最後の一滴まで良ーく考えて使ってね。


――そっか、どうりで最近乾つきが目立つと思ったら、なくなりそうだったんだ……。

お願い、そんなことを言わないでよ! 通常のマスカラの5倍くらいの値段で買うからお姉さんに譲ってくれないかな? 

もしかして、これを商売にしているんでしょう? それならお姉さん、まんまと引っかかちゃったなぁー!

でもそんな事はどうでもいいの。次を売って欲しいな?