暗闇の鎌【読みきり短編集】

 チラチラと片隅に過ぎる、不安と疑心。

これはなんだろう。気になるのに、その気持ちに向き合うのは怖かった。


彼を失いそうで、それでいて愛が消えうせ、すべてを無に返しそうで――。


「ほら、手を握って。暖かいから……ほら早く!」


でもその不安は、毎回彼の笑顔でかき消された。


そう、これでいいんだ。向き合う必要なんてない。


私は彼のことが一番好きなんだから。


「愛してる美知……美しく、清い瞳――」