暗闇の鎌【読みきり短編集】

 会うたびにとろけるような言葉を投げかけてくれる彼。


大好きな人がどんどん私にのめりこんでいく……それは手に取るように態度で分かった。


欲しかったアクセサリーを惜しみなくプレゼントしてくれ、割り勘だった食事も今は彼が当たり前のように支払ってくれる。


――明日、明日も会ってくれる? ねえ美知、仕事を早く切り上げるから!

――そうねぇ……ティファニーのブレスレットを買ってくれたら明日も会ってあげる。

――そんなのお安い御用だよ! 約束だからね!


まっさらな笑顔で喜ぶ彼。


あれ? 彼ってこんな人だっけ? もっとクールな人じゃなかったっけ。


私も私だ。彼に尽すようなタイプだったはずなのに、なんだかおかしい――。