暗闇の鎌【読みきり短編集】

 それからの私は、彼の前では必ず奇跡のマスカラを付けるようにした。


会社では?

勿体無い! 


マスカラの量が減ってしまうし、なによりまだまだこのミラクルを楽しんでいたい。


それに、本当は……会社のみんなの反応が怖かった。整形でもしたんではという目で、訝しげに疑われるのは怖い。


そんな嫌な思いをあじあう可能性があるならば、私は翔太君の前だけで、ゆっくりと時間を刻み楽しみたかった。


――本当に可愛い。

――綺麗だ、美知。