「敦志をお前に渡すくらいなら殺してやる!!!! 死ね死ね死ねー!!!!」


髪の毛も、頬も、唇も、手の平も赤、赤、赤、麗しい赤に染まる。鏡の中の私は最高に綺麗だった。


思わず溜め息が漏れ、身震いしてしまうほどだ。


「……はぁ――」


「なぜ問い質さない? 私を見ない? ……ちくしょう! 馬鹿にしやがって! 彼が手に入らないのなら、一生この心だけに捕らえてやる!!!!」


背後でグサグサと肉を切り裂く音がする。


私は永遠に悲劇のヒロインとして終わるの?


――敦志……やっぱり浮気していたんだ……。