暗闇の鎌【読みきり短編集】

 ――あれ、いつの間にかマナーモードにしていたんだ? ポケットに携帯を仕舞いなおした時かな……?


本当に業者からなの? それとも……


隠すようにズボンのポケットに手を入れ、敦志は震動を止めている。ばれないとでも思っているんだろうか。


「いらっしゃいませ、お客様。新婚さんですか? 美男美女カップルで素敵ですわね!」


「いやー恥ずかしい! 違うよな亜貴、先々の話だよな……っと、ん? どうした?」


思いに耽っていた私は、ふと我に返った。スレンダーな年配の女性が営業スマイルをこちらに向けている。


「そうなれたら良いんですけどね。あははははっ

……彼が誕生日プレゼントを買いたいというので付いてきたんです」