その言葉はあたしの心に響いた。


やめてよ。

泣いてしまうじゃん。


最後くらい、笑顔でいさせてほしいのに。

申し訳なさそうに、でもどこか優しい表情でそんなセリフを言う蒼に、思わず涙した。


『おい、なくなよ・・・』

『蒼がっ・・・そんなこと言うから・・・』


別れなのに。

好きとか、ずるい。


それは過去形だってわかっていても、今は蒼は他の人を想っているのだとしても、あたしは蒼を愛しいと感じた。




あたしの気持ちは無駄なのに。

あたしが蒼を好きでいることで、変わることなんてないのに。