「ねぇ、涼君聞いてくれる?」
「うん?」
言うなら、今!
「あのね、あたし涼君のことが好きなの!」
い、言った!
思わず、うつむく。
なんて返ってくるかな。
今更ながら緊張が体を走る。
突然、引き寄せられたかと思ったら暖かさに包まれる。
「…え?」
り、涼君!?
時間差でその暖かさは涼君のものだと知る。
つまり、抱きしめられてる!?
驚きが隠せなくて、きっと今目が点になってる。
「紗英、目が点になってるよ」
ほらあ!やっぱり!
「紗英、よく聞いて」
耳元で、涼君が囁く。
胸のドキドキが止まらない。
「俺も紗英のこと、好きだよ。付き合ってくれる?」
本当に、夢みたい。
言葉が出せなくて、必死にこくこくと頷く。
涼君の抱きしめが強くなるから、嘘じゃないんだ。
「これから、よろしく」
目を合わせて微笑む君。
「うん!こちらこそ」


