涼君は私の前まで来てくれる。 「ばか、迷子になってんじゃねぇよ」 こつん、と涼君の拳を握った手が優しくあたしの頭を小突く。 「探してくれてたの!?」 「悪いかよ」 照れ隠しなのか、なんなのか、涼君はふいっとそっぽを向く。 あは、なんか可愛い。 「ううん、見つけてくれてありがとう」 なんか、嬉しすぎて涙が出ちゃう。 「もう迷子になんかなるんじゃねぇぞ。心配するから」 溢れる気持ちが抑えきれない。 どうしよう どうしようこの気持ち 伝えたくてたまらない