ここでめげちゃダメな気がする!
頑張れ紗英!頑張れ自分!
「じゃ、じゃあここは?“いちにの小畑屋のとりいのご前なる!”ってわかった?」
今度は、さっきのところの下に書いてあったところを指差して聞いてみる。
「さあ?まだ考えてない」
またもや涼君はちらっとこっちを見てそう答えるだけ。
「…………」
「…………」
だめだ、会話が続かない。
え、なに?あたしと涼君って相性悪いのかな?
あたしの質問じゃ会話広がらないのかな?
ええええええええええ。
まさか、あたしと話したくないのかな?
1人で考えたい派の方だった?
悪いことしちゃったかなあ?
嫌われたかなあ?
なんて思うとシュンっと落ち込んでしまう。
何故か肩まですぼめてしまった。
「別に、1人で考えたい派でもないしあんたと話したくないわけじゃない。もちろん、あんたのこと嫌ったわけじゃないから」
不意にそう言ってくれた涼君、今度はちゃんとこっちを見て言ってくれていた。
「ほ、ほんと?よかったあ!……ん?てかなんで思ってること知ってるの…?」
流石にエスパー!?とかは思わないけどさ、不思議〜。
以心伝心!?
「いや、以心伝心とかじゃなくて、ただあんたが思ってること全部口から出てただけ」
…え?なんだって?
口から出てた??
えええええええ!?
「え、じゃあじゃああたしと涼君って相性悪いのかなとか思ってたこと全部聞こえてたの…?」
恐る恐る聞いてみる。
「聞こえてた」
嘘〜、恥ずかしいなあ。
アホなやつとか思われたんだろうなあ、きっと。


