可愛さ全開!!!girl⇄boy






「……奈友梨?」




ふと、後ろから優祐の声が聞こえた。



私の、聞き慣れた声が。




一瞬体が硬直した



けど、思いきって後ろを向いてみる。





「……優祐」




そこには頭にハテナマークを浮かべた優祐がいた。



?なんでハテナマーク??



「奈友梨なんでいるの?」



あ、疑問はそこか。



いや、なんで私が来ることを知っていないの?



ま、まさかりりちゃん私が行くこと言ってないんじゃ……。



「僕、てっきりりちゃんが来るかと思ってたんだけど〜?って!奈友梨!」



やっぱり、言ってなかったのか。



なんで言わなかったのかなあ?




って、



「え、なに!?」



いきなり声をあげるもんだから、びっくりするよ。



「奈友梨、何その格好!バカなのぉ?」



あ、この格好のことですか。


まあそう言われて当然だと思うしそこは自覚もしてる。


自分がバカなのも認めたくないけど今は自覚してる。



けどね、



「優祐にバカとか言われるのってすごい屈辱……」



精神的ダメージ大だからね!



「え、ごめん、でもこんなに寒いのにそんな格好とかー、バカしか言いようがないんだもん」



ええ、はい、そうですよね。



わかってるってば。
そんな何回も言わなくだっていいじゃん。


唇を突き出しながら拗ねたようにしてたら



「もう、僕の上着貸してあげるから着てなよお」



なんて言って優祐は上着を脱ぎ始めて私に羽織らせた。



あ、あたたかい…


って、そうじゃなくて!




「いや、いいよ!今度は優祐が寒くなっちゃう!」



私はこの格好でも平気だもん。多少なら
だけどさ。



「僕は着込んでるから充分あったかいよ!誰かさんと違って〜」



……バカにされてます?



私、バカにされてますよね?



いや、さっき正直にバカって言われたけど!2回も!



まあ、いいけど。


私そんなことでわーわー言わないし。



それにそんないたずらっ子のような笑顔に胸がキュン……




あぁ、どうしよ、女装姿の優祐の素振りにも胸キュンしてる私がいるよ。



あぁ、重症だこりゃ。



「じゃあ、遠慮なく借りる…ありがと」




最後の方の言葉はなんだか恥ずかしくって小さくなった。



そんな私を見つめる優祐の視線、表情が暖かくってなんだかね、




大好きだなぁ、なんて。



感じるんだよね。




なんでだろう、ほんとに重症だこりゃ。




なんかね、もうね、言いたくてたまらないし、聞きたいことだってあったんだよ、そういえば。