「どうかしたの?じゃないですよ!今すぐ優祐先輩のところに行ってください!」
いや、ちょっとまってよ。
「なんで優祐がでてくるの!?」
なんで優祐のところに行かなきゃいけないの?気まずいし会えないよ!
「なんでって、私が呼んだからですよ!」
「じゃあ行くべきなのはりりちゃんじゃないの!?」
なんで私なの!?
意味わかんない!
「はあ?なんで私が行かなきゃなの!?私は優祐先輩のために奈友梨先輩を行かせるんですけど!」
「優祐のために私が…?」
それって、どういうこと?
行きたいけど、会いたいけど
「でも、行けない。会えないんだって!」
「なんでそうなの!?先輩ってこんなにウジウジしてる人でしたっけ!?かっこ悪いです!私だってすれ違ってばっかりの2人を見るの、嫌なんですよ!」
「りりちゃん…」
りりちゃんの目には微かに涙が浮かび始めている。
ここまで説得してくれる子を私は見捨てるっていうの?
「会いたかったら会いに行けばいいじゃないですか!聞きたかったら聞けばいいじゃないですか!自分に嘘なんかつかないで素直になったらどうですか!?」
素直に、なる?
私は、優祐に会いたいの?
優祐に聞きたいの?
私は自分に嘘、ついてるの?
「今だって優祐先輩は待ってるんですよ!奈友梨先輩のこと!…だから、行ってください!!」
「…素直になっても、いいの?」
「いいんですよ!!」
そっか、そうなんだ。
私は…優祐に会いたい
優祐に聞きたい
優祐に言いたいことだってある!!
もう、自分に嘘をつくのはやめよう。
自分の気持ちに正直でいよう。
「…りりちゃん」
ひとつ、瞬きをしてりりちゃんを見る。
りりちゃんの涙はもう、ひとかけらも浮かんでなかった。
「どこで待ち合わせなの!?」
私の問いにりりちゃんは最高に可愛い満面の笑みで
「駅前の噴水ですっ」
そう、教えてくれた。


