可愛さ全開!!!girl⇄boy




「…あ、りりちゃん」




もう、さっきの奈友梨先輩みたいなこと言うのね。



なんて。


しかも2人とも同じ表情よ。まったくもう。



「先輩、奈友梨先輩の住所教えてください」



優祐先輩はこの言葉を聞くと驚いたように顔を上げる。


「…なんで?」



「先輩の恋の応援!最後の一押ししてきますから!」




私のこの不十分な説明でも熱意は伝わったのか、ルーズリーフに地図を書いてくれた。



「ありがとう」



これを受け取った時にはもう、心の準備はできていた。



この関係も、もう終わりにするんだ。



「先輩、もう偽カレ偽カノの関係はおしまいにしましょ!」



なんて明るく告げてみる。



「え?」



あは、先輩なんてアホ面なの!?



思わず笑っちゃう。





「だーかーら、もうこの関係は終わりっ!今からはー、ただの先輩後輩!」



なんだか自分で言ってて悲しい。



あ、ほんとに終わるんだって。


先輩は私のことこれっぽっちも好きじゃないけど、でも、ちょっとは嬉しかったんだ。



いくら偽とはいえ、先輩の恋の応援とはいえ、好きな人と付き合ってる事実は変わらないんだから。



だから、ちょっと寂しくなっちゃうね。



「……あ!ただのじゃない!」




そうだよ!もう私たちはただのじゃない。


「…え?」



先輩はそうは思ってないかもだけど、それからそう思わせてやる!



「これからも良きライバルで、良き友だちでしょ!?これからもお互いにお互いを高めて行こうよ!」




うん。そうよ。


恋愛が絡む前に


私たちはライバルであり友なのよ。



それは、ずっと変わらないんだから!



「りりちゃん…」



なんて言って涙を浮かる先輩。


あは、だからなんでそんなアホ面なの!


「…あれ?そういえばりりちゃんって僕の好きな子知ってたの!?」



え、え、



「いまさら!?」



なんでいまさら気づく!てかバレバレ。



みんな気づいてるって。



気づいてないのは奈友梨先輩だけ。



「そっかあ、なんだあ、いつのまに」



あはっと可愛く笑う先輩。


悔しいけど、可愛い。



あ、なんかこの単純なライバル感、懐かしいや。



「…あ、先輩」



「ん?なぁに?」



「…明日はクリスマスイブですよ!約束守ってくださいね!」



そう、明日は約束がある。


この約束さえも、役に立つとはね。



「明日、5時に駅前の噴水で待っててくださいね!」




「うん、わかったっ」



よし、わたしのやるべきことは後ひとつ。



勝負は明日。



ここまでの私の苦労を無駄と言わせないでよね。



「じゃあね!先輩!」



最後は笑ってみたりして。




手を振って見たりして。


先輩に背を向けて教室から出た。



今の私は最高に可愛いわ。


いや、可愛いに最高はないね。



どこまでも果てしないもんね!



そして、今流れてくる涙だって私を可愛くさせていくでしょ?



きっと、私の恋を洗い流してくれてるのかな?



あはっ、ふいに優祐先輩のアホ面を思い出しちゃう。



ちょっと笑っちゃっただけで視界がにじむ。



あー、もう!私を振るのなんてまだまだ早いのよ!なんてっ。


告ってもないか。



そんな思考さえも可笑しくてまた笑みがこぼれる。



でも、なんだかスッキリしたよ。



早く家に帰って明日の準備、してこなくちゃ!



ちゃんと念には念をいれてね。


そう思いながらいつのまにか校門に出ていた。



いつのまにか流れていた涙も出し切った。



今なら言えるよ。









「好きだったよ、



さよなら私の初恋」