そして、教室を出ようと一歩歩みを駆けた時。
「…いたっ!奈友梨…!!」
教室に肩を上下させた優祐が入って来た。
「優祐…」
うわぁ、ちゃんと顔見たのなんだかんだ久々。
けど、すぐそらしてしまう。
改めて、優祐が好きなんだと実感したよ。
「奈友梨…」
教室の出入り口の手前、出ようとした私の腕を優祐は掴んだ。
「な、なに!?」
再び顔を上げて目が合う。
あ…優祐、なんか悲しそうな顔。
なに、私!?私が優祐をそんな顔させたの!?
意味わかんない!
「奈友梨、僕のこと避けてるよね?」
逃がさない、というように手首を握るのが強くなる。
「避けてなんかっ!」
あるけど。自覚もあるけど!
さすがに避けてないなんて言えなくて言葉に詰まる。
もっと、優祐の顔が暗くなる。なんだか、不安そう?
「な、なによ」
今すぐここから逃げたくてしょうがない。
あれ?ほんとにいつの間に私ってこんなになったの!?
弱くなったっていうか…。
「…優祐?」
何も話し出さない優祐を覗き込んでみる。
「…奈友梨は、僕のこと嫌いになったの!?」
っえ?
なんでそうなるの!?おい。
いや、おかしいおかしいおかしい。
「嫌いじゃないし!」
むしろ好きだし…。大好きだし!
言わないけど!言えないけど!
「じゃあなんで避けるの!?」
今にも泣き出しそうな顔をして問い詰めてくる。
「なんでって……」
さすがに、言えるわけないじゃん。
優祐が好きだからだよ、なんて。


