「優祐に、りりちゃん」
私の乾いた声が廊下に響く。
なんで、こんな気持ちになるの。
なんで、ここに居たくないなんて思ってるの。
なんで、こんなに嫌な予感がするの。
「せーんぱいっ」
笑顔のりりちゃんが優祐の手を引いてこっちに来る。
そりゃあ、その笑顔は天使のようだけど。
いや、天使は知らないけど。知ってたら怖いし。
私の大好きな笑顔なのになんで今は見たくないって思ってるの。
「先輩、私たちね…」
みたくない、ききたくない。
私の危険信号が鳴る。
りりちゃんは優祐をちらっと見上げて
「付き合うことになりましたあ」
ねぇ、優祐はりりちゃんのことが好きだったの?


