「奈友梨はさあ、もし優祐が誰かと付き合ったら、悲しい?」
優祐が誰かと付き合ったら…?
そんなの
「考えられない」
いや、ちがう。考えたくない。
「そっかあ、考えられないかあ」
にやっとする紗英、悪いけど気持ち悪い。
「じゃあー、………実はねあたし優祐のことが好きだったの」
…え、は、えええええ!?
って、いやいやいや
「紗英は涼君と付き合ってるじゃん」
「バレたか~!ま、あたしが涼君一筋なのは奈友梨も知ってたもんね」
あたりまえ。
「…もちろん」
そんなところで次の授業が始まるチャイムが鳴った。
「ま、後は自分で気づくのみね」
なんて言って自分の席に着きに行く紗英。
自分で気づくって…気づけないから困ってんじゃん!


