「あのね、あたし涼君のことが好きなの!」
なんて顔を赤らめて言った紗英。
紗英の好きな人って、涼君だったんだ。
なるほどー。
涼君の表情を見て見たいけど、私たちに背中を向けているから見えない。
涼君が動き出したと思ったら、そっと紗英を抱きしめた。
おお、おおお、これは!
両想いってやつ!?
ふと、優祐を見ると、ばっちり目が合う。
てか、なんであんたが顔赤いのよ!
「奈友梨〜、僕行ってくる〜!」
え、何、どこ行くの?
なんて思ったのも束の間、優祐はあの2人のとこに走り出した。
え、優祐ってばか?いや、バカだけど。
空気本気で読めないの?
「2人ともおめでとお〜」
なんて2人の目の前で言ってるよ、もう。
これは私も行かなくちゃ?
「紗英、おめでと!」
紗英の前に立って言う。
ホント、おめでとう。
「奈友梨〜〜心配かけてごめん〜!」
あ、あの、紗英さんすごい涙ぐんでますけど…は、鼻水拭こうよ…。
紗英は一旦身を引いて、涙を拭う。
そして
「あたしたち、付き合うことになりましたっ」
なんて嬉しそうに笑顔でそう言った。


