温泉の中に入って、紗英のいる湯船に浸かる。
「あ、やっと来たー!遅いよ奈友梨〜」
先に浸かってた紗英が頬を膨らませながらこっちへ来る。
「いやー、ごめんね!」
「いいよいいよ!一人の温泉も堪能できたしっ」
そりゃあよかったね。
「ねーねー奈友梨ー」
「ん?」
「奈友梨って好きな人いないのー?」
………ぶぶーーーっ
吹くかと思った。真面目に。
真剣な顔でそんなこと聞くんだもん。
「い、いないよ〜」
どうしたの急に。
「えー?そおなの?優祐とかないのー?」
え、なんで優祐?
「ないないない!だって幼なじみだもん!」


