「僕は男だから可愛くなるには女の子の何倍も可愛くなる努力をしなきゃいけないの」
こんなに真剣に語る優祐、久しぶりだなぁ。
「僕はもともと可愛かったってのもあるけど女の子の可愛いには劣るでしょ?だから、可愛くなる努力をしてるの。たぶんりりちゃんよりも。」
ついに、黙り込んでしまったりりちゃん。
「女装って意外と大変なんだよ?」
その微笑みが小悪魔みたい。優祐さんよ。
「優祐って可愛くなる努力してたんだ」
ぶっちゃけ元の可愛さだけで女装してると思ってたよ。
女装に真剣なんだ、優祐は。
「りりちゃん?」
黙り込んでしまったりりちゃんに優祐が優しく声をかける。
「あ、すみません!なんか感動しちゃって!」
ぱっと顔をあげたりりちゃんの表情は輝いていて。
……感動!?
「じゃあ、あたしは優祐先輩よりももっともっと可愛くなる努力をすればいいんですね!お互いその努力に努めましょうね」
なんてにっこり微笑むりりちゃん。
やばい、なんか天使。超かわいい。
さっきまでの邪悪なオーラどこいった!?すごいキラキラしてるんだけど!
「もちろんだよ~!お互い頑張ろうね!」
あ、優祐もキラキラオーラ出てるけど、そっちはスルーするね。
「では、あたしはお先に失礼しますね」
なんて小走りに去って行った。
「よし、温泉行こ〜!」
もちろん。ずっと待ってたし。


