それから来た電車に揺られて目的の駅。
プシュー…と電車が止まる。
と同時に柚季君の嬉しそうな声が
「あ、いた…」
嬉しそうだけど、語尾には力の弱い声だった。
柚季君の目線をおうと、そこには黒いウェーブの効いた髪の可愛い女の子と、赤メッシュの背の高い男がいた。
はたから見れば、くっつきまくってるしバカップルなんて見えるだろうけど、ちがう。
「あの人が浮気相手だよね?」
その赤メッシュの男を若干指差して問うと、肯定の言葉が返ってきた。
「行くよ!奈友梨ちゃん、春内!」
なんて柚季君は言ってあたしの手に手を絡ませて電車を降りた。
降りる瞬間その彼女と目が合ってしまった。


