「放っておいても心配ない。雪弥の命(めい)は十七歳の生まれ日に尽きるって出てるんだ。それなら、それまでは何が起きても死なないんだ」
白瀬はさして興味がなさそうに言った。
「……それは確かなことなのですか」
緋川が眉をひそめながら言う。それに対し白瀬は多分ね、とだけ言って部屋を出ていった。
緋川達が白瀬を不穏に思う空気が流れていることに雪弥は気付いた。
ーー仲間内ですらこうなるのだ。なら、人間と相容れないのも仕方無いのかもしれない。
雪弥は緋川達の様子を見やりながら、起き上がった。背中の痛みもなければ、速まる動悸もない。
「雪弥様、お身体は」
緋川の問い掛けに雪弥は大丈夫、とだけ返した。今のところ、何の異常も見受けられない。
雪弥が布団から出ようとしたところで、白瀬が舞い戻ってきた。何の用かと視線を向けると、白瀬は至極面倒そうに口を開いた。
「北の番人が到着する」
白瀬はそれだけを言うと、また部屋を出ていった。

