「今晩にも北の番人が到着します。それまでに答えを出すように。しかし、断るということであらば、その場で貴方を斬り棄てましょう」
拒否などさせない。二度と西の番人に鬼神姫を殺させない。緋川の瞳はそう言っているように感じられた。
銀が何も答えずにいると、もう下がりなさい、と緋川は静かに言った。
まだ意識を取り戻さない雪弥の様子が気になったが、自分が此処にいても仕方無いと、銀はその場を去った。陽はまだ去る様子はなく、丁寧な正座でそこにいた。
どうしたらいいのか。どうすべきなのか。
多くの話を一度に聞かされたせいか、頭が上手くついていかなかった。
番人をやるつもりはない。銀の頑ななまでの意思には、小さな綻びが生じ始めていた。

