鬼神姫(仮)




「葛姫は、番人のひとりに斬り殺されました」

どくん、と心臓が跳ねる。手が震える。呼吸が荒くなる。

ーー助けてもらったのに?

無表情に横たわる雪弥に目を向けた。

別に、彼女が斬り殺されたわけではない。なのに、紅く染まる彼女の姿が脳裏に浮かび、離れない。

そしてそれはただの想像であり、彼女は制服姿だった。

そんなわけはない。数百年前にセーラー服があるわけがないのだから。

「そして、それが誰なのかは判明していません」

そう言った緋川の視線は鋭いものだった。

四人の中の誰かが裏切り行為を働いた。そしてそれは何故に。

数百年前に何が起きたというのか。

助けてもらっておいて、その命を斬り棄てる理由など何処にあるというのか。