「その際に、葛姫は四人の人間と契りを結びました。そして、四人の人間に、特別な力ーー神の力をお与えになったのです」
ざわり、と血が騒ぐのを感じた。生まれたときから備わっていた不思議な力。不可思議なことをさらりと理解出来る頭。
昨日、屋上で退治した羽鴉なるものだって、目にしたのは初めてだった。それでもそれが何であるかはっきりと解ったし、何の為にそこにいたのかも解った。そして、どうすれば倒せるのかも。
全て、先祖の血が成すこと。そういうことなのか。
「そして、人間達の願いは見事叶えられました。ですが、悲劇が起きたのです」
緋川は眉を下げた。その表情には悔しさが見てとれる。何も、彼が経験してきたことではないだろう。
先祖だ何だという話、そして雪弥の年齢。どうやら鬼も人間と同じ時系列を生きているようだ。
なのに緋川は表情を歪めている。切れ長の瞳には憎しみが宿っているように見えた。

