一目で解った。彼女に自由などないことが。
銀の育った家に当たり前にあったそれらは何処にもなかった。テレビに、コンポ、パソコン、ゲーム機、本。何もない。あるのは小さな座卓のみ。
彼女の部屋だというのに、雪弥のものらしいものは学校の指定鞄くらいなものだ。そしてそれは完成された和室には違和感をもたらしている。
異質な存在。
そんなふうに思えてならなかった。
「そろそろ考えは纏まりましたか?」
ふう、と息を吐きながら緋川が訊いてきた。それに銀は敢えて答えずにいた。
恐らく、時間がないのだろう。
雪弥がいつ十七歳になるのかは知らない。しかし、それは遠い話ではないようだ。
「考えが纏まっていないのなら、番人についてでもお話しましょうか。どうやら、貴方の親御様はそれについても教えてはいないようですので」
妙に丁寧な口調が神経を逆撫でする。そして、親については触れられたくないというより、触れさせたくなかった。

