鬼神姫(仮)




雪弥の寝顔は眠っているとは言い難いものだった。そこに意識など存在していないというものだ。

雪弥が去って直ぐに、彼女の倒れる音が聞こえた。銀はそこに慌てて駆け寄った。理由は解らない。ただ、足が、身体が動いた。

そこでは緋川が雪弥の小さな身体を抱えていて、それに言い様のない苛立ちを覚えた。

だが当たり前にそれをぶつける術はなく、緋川は銀の存在を無視し、大きな声で蒼間を呼んだ。直ぐ様、蒼間が姿を現し、二人で雪弥を運んだ。

そのときの雪弥の顔は苦痛に歪んでいた。

銀はその場に取り残されたが幾らもしないうちに浅黄が呼びにきた。そして、雪弥の部屋だという場所に通されたのだ。

その部屋は銀に与えられた部屋の倍以上の広さがあり、襖も豪華なものだった。