鬼神姫(仮)




死にある運命だと言われ、死んではいけないと言われ、それ以上のことは何も思わなかった。己が死にたくないなどと考えたこともない。

「死にたいか死にたくないかではなく、私は血族の為に死んではならないのです」

それが思っていること。

自分が死ねば鬼の血族は滅びる。そう聞かされたときから、死んではならないと思った。そして、必ず運命は廻ると信じてきた。否、信じたかった。

「お前の気持ちは何処にあるんだよ」

そう言う銀の声は酷く優しく感じられた。それでも、それに答える言葉は決まっていた。

「私の気持ちなど関係ありませんし、必要ありません。私は鬼神姫なのですから」

気持ちが揺らぐ。

どうしてか。

今まで考えずにいたことを突き付けられたからか。

雪弥は草履を履いた足元に視線を落とした。