鬼神姫(仮)





「……一晩ゆっくり考えろ」

陽は小さく言うと与えられた部屋へと消えていった。

何を納得すればいいのか。何を考えろというのか。

ーー俺はただ、普通に生きていきたい。

銀は渋々と障子を開けた。そこには一組の布団が丁寧に敷かれていた。だが横になる気にはなれず、ぼんやりと畳に座り込んだ。

そして空腹を感じる。

そういえば学校で昼飯を食べた以降、水すら口にしていない。胃も空腹の限界を感じたのか、今までに聞いたことのないような音を立てた。

「……腹減った」

銀は異様な音を立てる胃を擦りながら呟いた。

「おにぎりならあるよ」

それに答えると声がし、銀は肩を震わせた。どうやら声は廊下からしたようだ。