「俺は考えを変えるつもりはない。何度もそう言ったよな。そして、お前にも無理矢理にでも協力させるって」
陽は冷ややかな視線を向けてきた。そこにある本心をみることは出来ない。
「陽さんの気持ちは解ります。それでも、それが陽さんの命を賭ける理由にはならない。陽さんの命は陽さんのものじゃないんすか?」
銀はどうにもならない悔しさを言葉に込めた。
「……俺の命は生まれたときからあいつのものだ」
それでも陽が頷くことはなかった。
陽は銀から視線を逸らし、夜空へと顔を上げた。そこに月はない。あるのは微かな星だけ。
僅かな明かりが陽の横顔を照らす。銀は何も言えなくなり、唇を噛んだ。前歯が下唇に食い込む。
どうして、何も出来ない。どうして、大切な人を護ることが出来ない。

