ーー解っていたこと。
そう思ってしまえばなんということはないのかもしれない。それでも諦められない想いがあった。すり抜ける術があるのなら尚更。
だとしても、運命は違っていたと思いたくなることもあった。それでもその運命があるからこそ、赦されてきたことあった。
雪弥は窓から校門を眺めた。そこには浅黄がいる。
焦げ茶色の髪を無造作な長さにし、それでもすっきりと前髪を上げている。
逞しい身体付きをしている為、一見大柄で恐怖感を与える風貌であるが、よくよく見るとその瞳には優しさを携えている。
それに彼が心優しい性格をしていることは雪弥が一番知っている。
そんな彼を何時までも待たせるわけにはいかない。
雪弥はそう考え、通学鞄を手にした。

