浅黄は奥二重の瞳を少し細め、その紋様を凝視した。本当は一瞬目に映した際に表情を歪めたのだが、何を言うでもなかったので雪弥はそれに触れなかった。
浅黄の逞しい指が雪弥のそれをそっとなぞる。それは特に凹凸もなく、ただ刺青のようにーー刺青の方が凹凸があるだろうーー存在していた。
『白瀬(しらせ)様にご相談を』
浅黄はそれだけ言い、雪弥の腕を離した。
ということは、この場で軽々しく口に出来るものではないということ。
雪弥はわかった、と頷いてから制服に袖を通した。
そのあと白瀬なる者から聞かされた話は到底信じ難いことだった。

