鬼神姫(仮)




放課後になると教室は途端に静かになる。

生徒達は帰路を急ぎ、各々バスと電車を乗り継いで町に出る為だ。こんな田舎では若者が遊ぶ場所など当然なく、学生は学校が終われば意気揚々と町へと出掛ける。

勿論そんなものなので部活動などあってないようなものだ。

部活というものも幾つか存在はしているがその殆どが廃部寸前と言わんばかりに生徒数は少ない。

野球部、サッカー部、バスケ部は何とか試合が出来る人数。バレーボール部に至っては試合の出来ない人数しかいないのだ。

雪弥は殆ど生徒のいなくなった教室の窓から外を眺めた。

雲行きが怪しくなってきている。それでも今日はこれといったことは起きていない。

あの、羽鴉の出現と二人の番人を覗けば。

しかしあれは雪弥を襲ったわけではないと、目付きの悪い方ーー銀といったかーーが言っていた。だとすると今日は自分の身には何も起きていないということになる。

この三ヶ月間でそんなことは初めてだった。